近年、「健康食品」やサプリメントと呼ばれる食品が広く出回り、日本における利用経験者は約8割を越えるといわれています。
日本では、サプリメントという言葉に定義はありませんが、ここでは、こうした食品のうち、カプセルや錠剤、粉末、顆粒、抽出エキスなど、通常の食品とは異なる形態をしたものをサプリメントと呼ぶことにします。
サプリメントに関する情報は、テレビやインターネットの他に、家族や親類、友人・知人からの口コミや地域のPTA講演会などからも入手され、子どもを持つ親の間でも関心が高まっています。
実際、子どものサプリメントの利用が、かなり身近なものとなってきているようです。
大人によるサプリメントの常用が日本より早くから一般化しているアメリカでは、約30-50%の子どもがサプリメントを利用しているとの報告があります。
日本でも、今後、アメリカと同様に子どもによる安易なサプリメントの利用が拡大することが懸念されています。
しかし、日本国内での、子どものサプリメントの利用実態に関する報告は非常に少なく、その実態はつかめていません。
アメリカの調査では、子どものサプリメント利用について、以下のような問題点が指摘されています。
・食事からの栄養摂取量とは関わりなく、サプリメントを利用している。
・サプリメントの利用が栄養の補足ばかりでなく、過剰摂取につながってしまっている。
・早期のサプリメント利用がアレルギー発症と関連するかもしれない。
・ハーブに関して、「自然だから安全」という誤解があり、副作用や相互作用については、あまり知られていない。
・安全性が問題視されているハーブや、有効性が承認されていない用途での使用がみられる。
日本でも、子どもを持つ多くの親は、食事や栄養のバランスに非常に感心を持っており、子どもの食事に「問題がある」「改善したい」と考えていることが報告されています。
また、親自身の食習慣は強く子どもに影響します。
昨今の成人のサプリメントの利用に伴って、日本でも前述のようなアメリカと同様の問題が発生しないように、サプリメントと子どもの食事についての基本的な事柄をまとめました。
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