◆製造効率アップで安全が犠牲に
農心とは対照的に、東遠F&Bのツナ缶にカッターの刃が混入した問題に関しては製造工程で発生したことを食品医薬品安全庁がはっきり結論付けている。食品医薬品安全庁が調査したところ、問題の製品が製造された当時、ベルトコンベヤーが故障し、発見された異物と同種のカッターを使い修理されたことが確認された。この際、東遠F&B工場に設置されているレントゲン異物探知器は、缶詰の外縁から内側へ9ミリまで(図参照)の部分は異物が存在しても探知できないことが明らかになったのだ。
食品業界の関係者らは「異物探知器が缶自体を異物として誤認識するのを防ぐため、一番端からある程度の範囲を探知しないようにしているが、東遠F&Bの場合はその範囲が広すぎるようだ」と話す。金属性の異物が探知されると、自動で製造ラインが停止するため、異物探知器の感度がよすぎて製造ラインの停止が頻発し、生産効率を落とすことのないよう、誤差の許容範囲を広げ過ぎているのではないかということだ。一般的に食品業界では異物が感知されない範囲を外縁から2‐3ミリに設定しているという。
これに加え、「ベルトコンベヤーが切れ、缶の蓋が覆われていない状態のまま、近くでカッターを使い修理したということも、衛生・安全に対する認識が不足している」と批判されている。
東遠F&Bの関係者は「食品医薬品安全庁が発表した調査結果によると2メートル離れていたカッターの刃が飛んできて、缶の外縁に縦に入り込んだということになる。ほぼあり得ないことだが、反論できない状況」と述べている。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS