これまでアンチエイジングの考え方を中心に、体が喜ぶ食事方法や調理方法について説明させていただきました。今回は少し趣向を変えたお話をしようかと思っています。「体に余分なもの」の話です。
体に余分なものといって思い浮かべるのは、塩分・糖分・脂肪分ですね。これに加えて、普段の生活の中で知らないうちに摂(と)ってしまっている、食品添加物や農薬、それに重金属などがあります。これら「余分なもの」をどうすればいいのかというと、「キレーション」(有害金属の排出などを目的とした療法)や流行の「デトックス」といった複雑な話になりそうなのですが、僕はもっと簡単に考えています。
僕の中での「余分」のバロメーターは、舌です。つまり、食材そのものが持つ味をおいしいと感じることができるかということです。肉・魚・野菜、なんでもそうなのですが、食材そのものの風味を感じ、味わうことができるということは、体の中に「余分」があまりなく、正常な状態に近いということだと思っています。
逆に、塩分や糖分を普段摂りすぎていると、例えば、生野菜を食べても野菜本来の甘みやうまみをあまり感じることができず、おいしいと思わないはずです。
毎日の食事の中で、1品でもいいので、食材そのものの風味を楽しむようにしてみてください。そして、少しずつ素材本来の味をおいしいと感じるようになれば、「余分なもの」は体から少なくなっているはずです。食材だけに限りませんが、自然の力ってすごいですね。
産経ニュース