3.コエンザイムQ10の適切な摂取量について
コエンザイムQ10は一般的に高用量でも副作用が出にくく、かなり安全性が高いと考えられています。
多量に摂取した場合に軽度の胃腸症状(悪心、下痢、上腹部痛)が報告されているものの、ヒト臨床研究では有意な副作用は認められていません。
しかし、ビタミンのように食事摂取基準による推奨量や上限値などは策定できていません。
つまり、ヒトが一日に何mgのコエンザイムQ10を摂取すべきかについてはまだよくわかっていません。
日本では、医薬品として使用する場合のコエンザイムQ10の上限量は1日に30mgです。
一方、食品として流通している海外メーカーコエンザイムQ10製品のその含有量はこの医薬品量を遙かに超えており、日本の健康食品でも医薬品として用いられる量を超えた製品が流通しはじめています。
過剰摂取を防止する観点から適切な摂取目安量を設定するための取り組みとして、食品安全委員会で専門家による検討が行われましたが、現時点ではデータが不足しているため、コエンザイムQ10の安全な摂取上限量を決めることは困難という結論となっています。
これを受けて厚生労働省は、「コエンザイムQ10を含む食品の取り扱いについて」という通知(食安新発第0823001号)を出しています。
その内容は、
1)医薬品として用いられる量を超えないように指導していること、
2)個別の製品の安全性については、事業者により適切に確保される必要があり、事業者の責任で、用量を考慮した長期摂取での安全性の確認、摂取上の注意事項の消費者への提供、消費者の健康被害事例を収集させる等指導を徹底させるというものです。