2.コエンザイムQ10情報を解釈するときの基本的な考え方~まず安全性を重視
コエンザイムQ10は過去に医薬品として用いられていたことから、一般に医薬品と同じような安全性・有効性が期待されています。
しかし、コエンザイムQ10という同じ成分を含んでいる健康食品であっても、商品の品質(不純物混入の有無)、商品中の表示成分含量の真偽、摂取したときの体内吸収等の特性は、医薬品と食品では同等ではありません。
そのため、単なる“医薬品として利用されている"という言葉で、“コエンザイムQ10を含む健康食品の情報"を医薬品と同等に判断することはできません。
一般に医薬品の場合は、混在する不純物を除去して単一の化合物に精製した成分が用いられ、製造方法や成分含有量などがGMP基準により厳密に規定されています。
そのため最終的に有効性や安全性が明確にできるようになっています。
一方、食品として流通している商品は、通常は品質を確保する規格がない場合が多く、含まれる成分の含量や純度は全ての製品で必ずしも一定というわけではありません。
さらに健康食品には複数の成分が添加されていることが多く、もし製造時に添加された成分の中に有害成分が含まれていた場合、有効性を期待する前に安全性の問題が危惧されます。
実際に、コエンザイムQ10の配合を謳っているにもかかわらず全くコエンザイムQ10が検出されず、違法に別の医薬品成分を添加していた事例がありました。
また、コエンザイムQ10の吸収に影響する錠剤の溶解性を測定したところ、商品によってかなりの差があったという報告があります。
これはコエンザイムQ10が多く含まれている商品を摂取しても、体内へは吸収されない場合があることを意味しています。
以上のことから、医薬品成分であるコエンザイムQ10が健康食品に含まれていても、健康食品として流通しているコエンザイムQ10商品はあくまで食品であることを認識することが重要です。
そのためには効果よりも先ず安全性を考えることです。
コエンザイムQ10は一般的に高用量でも副作用が出にくく、かなり安全性が高いと考えられています。しかし、利用方法や利用対象者によっては絶対安全とはいえません。
希にでも過去に健康障害を起こした事例があるかどうかを知っていれば、たとえ問題が起きても素早く対応できるため、安心して利用することが可能になります。
全ての健康食品に共通する事項ですが、健康食品を選択・利用する際には、日常のバランスのとれた食生活や運動が最も重要であることを常に認識し、科学的根拠の乏しい情報に振り回されず、必要ならば最小限の利用にとどめること、また安全性や有効性情報が良くわからない商品は利用しないことなど、冷静にその情報を判断してください。
特に病気治療中の人は自己判断で安易に利用せず、医師等の専門家に相談して利用することが重要です。
コエンザイムQ10に関する網羅的な安全情報は素材データベースを参照してください。
また、特に医薬品との併用に関する情報については下記の「5.医薬品との併用について」も参照してください。
これらの情報はあくまで一般的な情報であり、特に相互作用については、利用者の体質、コエンザイムQ10の商品(コエンザイムQ10の品質、共存する他の成分など)によっても異なることを留意して下さい。