東京都は、都消費生活対策審議会の答申を受けて、調理冷凍食品に原料原産地表示を義務付けるため、消費生活条例を改正する方針を打ち出した。
対象となる原材料は、JAS法の野菜冷凍食品の品質表示基準に準じて「原材料の重量に占める割合上位3位までのもので、かつ原材料の重量に占める割合が5%以上のもの」としている。それに加え「商品を特徴づける原材料を商品名に冠したもの」も表示対象とした。例えば「エビグラタン」のエビの原産地は、重量に関係なく表示するということだ。
ただし、小麦粉のように「複数の産地のものが複雑に混合されているものについては、適正な表示ができるかどうか難しい」という理由で、対象外となる可能性が高い。表示方法は、容器包装が原則だが、それが極めて困難な場合は「ホームページ(HP)、ファクス、電話等」でも構わない。
原料原産地表示の義務化へ積極的な取り組みではあるが、答申を見る限りは、逃げ道が多く実効性に疑問を感じる。複数の産地なら表示しなくてよいとなれば、多くの原材料が対象外になる。また産地が頻繁に変わったりする場合、容器包装に表示しなくてもよいとなれば、どの商品もHPやお客さま相談室対応で逃げてしまう可能性がある。だが消費者は、商品を買うときに原産地表示を見たいのである。
産経ニュース