輸入食品への不安の高まりや輸入小麦の度重なる値上げを受け、安全でヘルシーな国産米粉(こめこ)が注目されている。米の国内自給率はほぼ100%で、米粉は小麦粉などと違って安定した供給が望める。料理に使えばメタボリック症候群や子供のアレルギー対策にもなるといい、さまざまな食品が考案され、家庭や学校給食など各方面で利用が広がっている。(服部素子)
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「米粉は食の安全を揺るがす問題が起こるたびに認知度が高まってきました」。食育・料理研究家で、近畿米粉食品普及推進協議会会長の坂本廣子さんはそう話す。
同協会は食料自給率のアップと脂質過多の食習慣の改善を目指し、消費者や食品業界、生産者団体、学校給食の関係者らが集まり、全国に先駆けて平成14年6月に発足。坂本さんが食育の面で中心になり、米粉のさまざまな可能性を探ってきた。
BSE問題の際には、牛エキスが入ったカレールーが使えず給食にカレーが出せないという保育所からの相談を受け、カレー粉に米粉でとろみをつけた「さらっとチキンカレー」を考案し、園児たちを喜ばせた。
米粉は小麦粉と違ってグルテン(タンパク質)ができない▽水分をより多く含むことができる▽粒子が細かい▽消化のスピードが遅いので血糖値が上がりにくい-などの性質がある。このため米粉を使ったケーキやクッキーは粉っぽさがなく、天ぷらなどの揚げ物も粒子が細かいので具につく量が少なく、油の吸収も少ないのでサクッと揚がる。
産経ニュース