●夏バテも、実は自律神経のアンバランスが一因
よく耳にするけれど、よくわからない病気。
“自律神経失調症”は、そんな病気の筆頭ではないだろうか。
病気にまでは至らなくても、自律神経のバランスの乱れは、下の表のように、普段の体調不良にも密接に結びついている。
特に夏バテの一因が自律神経の乱れ。
これをバランス良く保つことが、普段から体調を良く保つ秘訣なのだ。
自律神経の乱れによる主な症状 |
疲れやすい | 立ちくらみ |
ときどきお腹が痛くなる | 頭痛 |
便秘(または下痢)になりやすい | 冷え性 |
だるい | 動悸 |
疲労感がとれない | 顔のほてり |
風邪をひきやすい | 肩こり |
めまい | 夏バテ(だるさ、食欲不振など) |
相反する『自律神経』2種のはたらき |
【交感神経のはたらき】 | 【副交感神経のはたらき】 |
心臓のはたらきを速める | 心臓のはたらきを抑える |
血圧を上げる | 血圧を下げる |
消化を抑制する | 消化を促す |
排泄を抑制する | 排泄を促す |
生活リズムの乱れ | 朝は起床とともに交感神経のはたらきが活発になり、お昼頃ピークを迎え、夕方から夜へと下降。 これとは逆に、朝からお昼にかけて下降線をたどり、夕方から夜にピークを迎えるのが副交感神経。 つまり、脳や体が活発に活動しているときは交感神経がはたらき、休息しているときには副交感神経が はたらくのだ。 この交感神経と副交感神経の入れ代わりは約12時間の周期で繰り返されている。 それが残業や夜更かしなどで休息する時間に休息できず、入れ代わりがスムーズにできなくなると、自律神経は途端にバランスをくずしはじめる。 1日や2日の乱れ であればまだしも、長く不規則な生活が続くと体調不良へと直結するのだ。 |
イライラ、ドキドキ、ビクビク… | ストレスが溜まってイライラ、電車に乗り遅れそうになってドキドキ、上司の八つ当たりがはじまってビクビク…。 これらの激しい感情も、自律神経に影響を及ぼす。 そのときどきは短時間ですんでも、あまり頻繁に繰り返されると自律神経がバランスをくずす原因になるのだ。 もちろんストレスも天敵といえる。 |
環境の変化 | 夏に多いのが、これ。 冷房の効いた室内と暑い戸外への出入りが増えるため、自律神経は1日に何度も体温や発汗の調節をしなければならず、いわば過労となってバランスをくずすのだ。 |
アンバランスな食生活 | 食事の栄養バランスも大きな原因のひとつ。 特に気をつけたいのが、糖分の摂り過ぎが招くビタミン不足。 さらにアルコールや油分の摂り過ぎなども自律神経のためにはよくない。 |
病気によることも | 更年期障害やうつ病、ホルモンの病気などによって自律神経が乱れることもある。 こうなると体調不良の悪循環に陥っていくので、「少しだるいだけだから…」などと軽くみずに、長引く場合はぜひとも一度、医師に相談してみたい。 |